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倉木麻衣の曲で1番好きな曲がStepping outです

time 2017/05/19

倉木麻衣の曲で1番好きな曲がStepping outです

倉木麻衣
僕はあまり音楽は聴かない人です。
若い時から全く聴かない。
中学時代に大人ぶってCDを数枚買った事があるけど、
あれはかなり(背伸びして)無理して買っていた記憶がある。

10代後半には小室ブームが到来し、
周りの連中はグローブとかTRFとか買って車で流してた。
でも、僕は1枚も買わなかった。
かといって、モーニング娘的なアイドルの曲も聴いてなかった。
アノ頃はインターネットもなくて、1番の趣味がTVゲームでしたが、
テレビも良く観ていた(今は月に10分も観てませんが・・・)
それだけテレビを観ていると、【売れてる曲=良い曲】って洗脳されるんですよね。
売れるのはドラマやCMのタイアップがある曲ばかり。
僕も好き嫌いは別として、当時は知ってる曲はその手の曲ばかりだった。

20歳頃になると、中学時代に好きだったアイドルのCDなんかをブックオフで探す事にハマった。
そして、たまにブログにも書いてる【Qlair(クレア)】というアイドルのCDを100円以下で見つけては買っていた。
多分、Qlairと言われても知らない人の方が圧倒的に多い知名度だけに、
売れてる数も少ないわけで、ブックオフでもそうそうなかっただけに、
自分の中ではあった時の宝を見つけた感が楽しかったりもした。

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倉木麻衣?知らないな~・・。

シドニーオリンピックの年、僕はオーストラリアにいた。
ワーキングホリデービザというビザで1年間住んでいた。
(SNSやブログをずっと読んでる人は知ってると思いますが初読みの人の為に書いておきます)
あの頃も、僕はインターネットはまだやっていなかったが、
ネットカフェや留学センターなどに行くと、半数以上の人がインターネットをしていたので、
世間的にはそれくらいインターネットがポピュラーになりつつある年だったと思う。

まだギリギリフィルムカメラの人が多かった年で、
デジカメなんて持ってる人はまだいなかった。(発売はされていたと思う)
そんな中、みんなCDウォークマンとか音楽を聴くポータブルプレイヤーを持ち歩いてる人も多かった。
もちろん、音楽を若い時から聴く習慣がない僕は、そんなものは持ってきていない。

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あれはメルボルン近郊のグレートオーシャンロードのツアーに行った時だった。
たまたま一緒だった日本人の女の子が凄く良い子で、
バスの中でも退屈しなかった。
僕もアノ頃はテレビで映画をよく観ていたので、
映画の話で1時間以上話していたのを思い出す。
その女の子が、『この音楽が好き』と聴かせてきた。
カップル 音楽

ちょうど、この挿絵の写真のように、
イヤホンを片方ずつつけて無言で音楽を聴いていた。
この状態でCDが1回転するまで、ほぼ無言のまま移動するバスの車窓から眺めを見ながら移動してた。
このツアーでは、集合場所に戻ってお客を降ろすのではなく、
希望エリアの駅やバスターミナル、安宿やホテルなど、
お客の希望に沿ってエリア内だったら送りつつ終了するスタイルだった。

音楽を聴いてる彼女が『どこに泊まるの?』って聞いてきたので、
『安宿ですよ』と答えた。
間髪入れず、僕も『どこに泊まるですか?』と聞いたら、
『まだ決めてないんだ。そこのホテルが空いてたら泊まろうかな』と言って来た。
僕、24歳、彼女は20代前半。
これは・・・とも思ったが、平静を装い『いいんじゃない』と答えておいた。

宿は空いていて彼女は泊まることになった。
部屋は別々だが隣部屋。
荷物を置いてる最中に、『こっちの部屋のほうがいいね~』と部屋に入ってきた。
とはいえ、安宿なので6人部屋に遊びにきた感じなので、
いやらしい感じもなく、僕もそう思っていた。

夕飯は安宿の庭で、外国人のバックパッカー達とBBQをする事になった。
彼女も参加した。
あーだこーだ言いながら、ゴッツイ外国人達に割り勘負けしないように、
とにかく食って飲みまくった。
彼女は笑っていた。が、彼女も結構食ってたと思う。
ちなみに日本人は僕らだけだ。
だからこそ、余計に親近感が沸いたのかもしれない。
(話は変わるが、外国人のBBQは日本人のソレとは雰囲気も楽しさも全然違う。ちなみに僕は日本人だけでやるBBQは嫌いな奴だ)

BBQもひとしきり終わり、
みんな、まったりとキャンプファイヤーの火を囲んで会話していた。
辺りはシ~ンっとした田舎だ。雑音も車のエンジン音もない。
ただ星空だけが綺麗で、キャンプファイヤーの燃える音がパチパチとしていた。

そんな、まったりしてる時に、
彼女がおもむろに『聞く?』とイヤホンを片差し出してきた。
バスの中同様、倉木麻衣のCDだった。
方耳で聞きながら会話し、話に詰まると音楽に集中するという繰り返しをしていた。
彼女が『この中で1番好きな曲は何?』って聞いてきた。
僕はタイトルがわからないから、えぇ~っと・・・と、鼻歌メロディーを口ずさんだ。

彼女は『Stepping outだ!私も好き!』と言って来た。
そこから、何回かリピートしてStepping outを聴いた。
BBQもお開きムードになり、ぞろぞろと部屋に戻って行った。
正直、僕はもっと話していたい気持ちになっていた。
でも、明日の事もあり、明日も早起きして移動しなきゃならない。

僕らも部屋に戻り、シャワーを浴びて寝ることにした。
数十分後、男女共有のシャワー室でばったり会ってしまい、
つい立ち話を10分ほどしてしまった。
シャワー上がりの彼女はなんとも言えない色気があったが、
それも平然を装って見ないようにしていた。

朝起きて、慌しく一緒に朝食を食べ、
それぞれ別の目的地に向かって別れた。

たった1日の交流。
別にえろい事もない関係。
それでも数年、数十年知り合いの人よりも深い話をしたり真剣に語り合えたり出来たりする。
それを人によっては『2度と会わないと思うから深い話や真剣に話す事ができるんじゃん?』って言う人もいるけど、
僕は逆だと思っている。
単発バイトでの出会いもそうだけど、2度と会わないと思う人とは面倒くさい絡みを極力排除した方がトラブル確率が少なくできるからだ。
口は災いの元じゃないが、気が合わない人と余計な話しして上手くいくと思いますか?もしくは楽しいですか?
大多数の人はそうは思わないだろう。
僕も同じです。
旅先の出会いというのは、お互いにノーデータ(経歴、収入等)で対面する。
そこで判断するのは、外見もあるのかもしれないが、
何よりもフィーリングだったりする。
【フィーリング=直感】と言った方がいいかな。
これ、今の日本人に1番抜けてる感覚だと思うんだよな・・・。
まぁ、それだけ計算高い人間が増えてしまったという裏返しなのかもしれないけど。

 

そんなわけで、
未だに倉木麻衣のStepping outを聴くと、
この1日の事を鮮明に思い出し、彼女の事も思い出す。

 

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